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未来的なアクション・アドベンチャー・パズル・ゲーム「Toran」  (2019/06/15 new)

概要

今回のTipsでは、アクション・アドベンチャー・パズル・ゲーム(Action adventure puzzle game)「Toran」を紹介します。

ゲームをあまりやらない方にとっては、「アクション・アドベンチャー・パズルとは?」だと思います。 筆者もゲームは詳しくないので調べてみたところ、論理的思考型のゲームを総称してパズルゲームと呼んでいるようです。

つまり、パズルゲームに個体(キャラクターなど)を動作させたり、冒険的な要素を加えたゲームという定義です。 例えばテトリス(Tetris)などは、冒険要素が無いアクション・パズルという位置づけになるようです。

「Toran」は、冒険要素としてSFの世界を舞台にした、無料で体験できるショートゲーム(short game)です。

筆者が感心したこのコンテンツの魅力は、次のような項目です。

  • 実際にホログラム(hologram)を操作しているようなUIが凄い。(斬新なUI)
  • 球体のホログラムが美しい。
  • パズルが面白い。

これまで様々なVRゲームを体験したなかで、久しぶりに新体験をさせられた気分になりました。
筆者が感心した内容を中心にまとめてみたので、興味が有る方は参考にして下さい。








Toran




Toranについて

「Toran」は、2019/04/19にリリースされた、無料でプレイできるパズル系のショートゲームです。
(ショートゲームというよりは本編リリースのためのデモ(demo)に近いコンテンツ)
また、Windows MRへの公式対応は表記されていませんが、全く問題なく動作します。

アドベンチャーの要素として、次の様な世界設定になっています。

  • プレーヤー:科学者
  • 場所:月にある古代文明の遺跡を調査るために訪れて発見した、謎のプラットフォーム
  • 目的:謎のプラットフォームで、銀河系間のオデッセイ(odyssay)を可能にするパズルを解き明かす

要約すると、「銀河系間を移動するための、スターゲート(star gate)を開くためにパズルを解く」というのが、このコンテンツのテーマです。

このパズルは、ホログラムとなる球体内に存在しています。









基本的な操作方法

これまでこのサイトで紹介してきたVRコンテンツとは少し異なる、斬新な操作方法となるUIを採用しています。
その最も特徴的な操作方法が、コントローラーのトリガーボタン以外は、全く利用しないところです。
コントローラーを前後・左右・上下に動かすだけで、全てのUIが完結されるという徹底ぶりです。

この操作方法が、コンテンツ内での動作をシームレス(seamless)にし、没入感をさらに高めるているように感じました。

一般的な操作に慣れた方の場合、斬新すぎておそらく操作方法に戸惑うと思われます。
理解できると非常にスムーズ(smooth)にコンテンツを楽しめるので、これから説明する操作方法を参考にして下さい。

先ず、コンテンツを起動すると仮想的な手が表示されます。ここからパズル操作を行うまでは、チュートリアル形式でガイドに従って進んでいきます。(コントローラーのボタン操作は不要)

1.ホログラム・コンピュータの表示

「Look at palm to open holo-computer」
ホログラム・コンピュータを開くために手のひらを見て下さい。(左右どちらでも構わない)

上手く表示されない場合は、手のひらを顔の付近まで持ち上げて下さい。

2.メッセージの表示

「Tap with index finger to open Messages」
メッセージを開くために人差し指でタッチして下さい。

表示されている手の人差し指で、Messagesアイコンをタッチします。

3.メッセージの再生

人差し指でメッセージをタッチして再生します。

「地球中央軍(Tellus Central Cmd)」と「民間通信ネット(Civilian Comm Net)」からメッセージが入っています。
メッセージの意味は理解できなくても問題ありません。

4.プラットフォームへ移動

メニューパネルに戻り、「Science」アイコンをタッチします。
「Execute Interfacing Routines」
インターフェース手順を実行して下さい。

ここまでの操作で謎のプラットフォームへ移動できます。そして、移動後しばらくするとパズルを解くための球体が現れます。

なお、メニューパネルで他にもいくつかのアイコンを選択できますが、おまけの機能なので特に気にする必要はありません。
興味があれば、絵を描いたり画面キャプチャなどができるので試してみて下さい。
また、Settings機能を選択することで、ホログラム・コンピュータの表示色を変更できます。









球体の操作方法

いよいよパズルを解いていくことになりますが、先ずは球体の操作方法について説明します。
パズルを解く前半までが、チュートリアル形式になっています。

1.球体を動かす

「Grab the sphere with one hand to move it」
片手で球体を掴んで動かして下さい。

球体に手を近づけトリガーボタンを押すことで掴むことができます。トリガーボタンを離すと球体も離れます。
ここからの操作は、左右のトリガーボタンのみを使用して操作していきます。

2.球体を動かす

「Use both hands to rotate the sphere」
両手で球体を回転させて下さい。

球体に両手を近づけ、左右のトリガーボタンを押した状態をキープ(keep)します。
縦・横・斜め方向へ自由に回転させてみましょう。
また、掴んだ状態で両手を広げたり縮めたりすることで、球体サイズを自由に変更できます。
(球体は、投げたり落としても、手前に戻ってきます。)

球体を大きくしたり回転させたりし、球体内の美しいCGを楽しんで下さい。

3.パズルを操作する

「Grab nodes with one hand and twist them」
片手で交点(中心点)を掴んでねじって下さい。(矢印の方向へ回転させる)

オレンジ色の幾何学的な図形を操作してパズルを解いていきます。
矢印が表示されているオレンジ色の中心オブジェクト(object)を掴んで矢印の方向へ回します。

青色の中心オブジェクトへオレンジ色の光線を当てることで、オブジェクトがオレンジ色に変化します。
この操作を繰り返して、全てオレンジ色にリンク(link)させることで1球体内のパズルが完成します。

4.球体の中に入る

「Use both hands to expand the sphere」
両手で球体を広げて下さい。(球体を大きく膨らませる)

最大に広げると球体の空間にすっぽりと包まれます。
縮めたい時には、逆の動作をします。







パズルのヒント

上記で説明したように、基本的なパズルの解き方は次のようになります。
オレンジのオブジェクトから出ている光線を、青色オブジェクトの交点に当ててリンクさせていく。

次の様な、反射を利用してリンクさせるパズルもあります。


パズルを解く球体は、全部で3個出現します。コツを掴めば直ぐに完成できると思います。
3球体を完成させると、スターゲートが開かれて次の銀河系のポータルへ転送されます。そして、新たなステージが開始されることになります。

しかし、残念なことにデモゲームであるため、このステージで1個の球体を完成後、ゲーム終了になります。

続きがしたい・・・。









雑談

筆者はほとんどゲームをやらなかったのですが、Windows MR購入後に様々なゲームをプレイするようになりました。
ゲームをプレイするというより、開発に関わる技術的なことやCG・音楽などのアート性(artisty)、ストーリー(story)の組み方などを探求しています。

そのため非VRゲームでも、興味がもてるものがあれば体験するようにしています。
例えば、「GRIS」というゲームはアート性も有り、ストーリーの組み方などとても楽しめました。


ゲーム自体は、抽象的な絵と単調なキャラクター動作の繰り返しなのですが、次の項目などが魅力的でした。

  • コンテンツ全体の色使い(色がテーマとなっているコンテンツでもある)
  • 少ない効果音の中で、主人公が着用しているマントの音が耳に残るように設定されている
  • 抽象的なキャラクターの動き(マントの音に合わせて主人公がジャンプする動作などが可愛らしい)
  • ステージが切り替わる時の情景描写

良く考えられているコンテンツなので、最後まで飽きずにプレイできます。
このコンテンツもアクション・アドベンチャー・パズルの仲間だと思います。
また、抽象的なCGでもVR空間で体験できれば、さらに楽しいだろうということが想像できます。



もう1作品紹介します。「A Raven Monologue(カラスの独り言)」というコンテンツです。ゲームというより動く紙芝居です。
かなり抽象的な作品で、真理を理解するのが困難なほどアート性の強いコンテンツです。(自由な解釈ができるように意図された作品)


鳴き方を知らないカラスと街の人達との関係を、セリフの無い紙芝居形式で表現しています。
制約の下でストーリー性などをどのようにして伝えるかを学ぶために、社内の内部プログラムの一環として開発された作品の様です。
インドネシアのソフトウェア企業が開発元です。

プレイ中に繰り返される音楽は、美しいメロディーなのですが歌詞の内容も抽象的で難解です。
歌詞は、おおよそ次の内容で合っていると思うので参考にして下さい。(聴き取り難い箇所は想像です)

歌詞

Ain't going, ain't growing
They're not getting it again

They are way too far from loving
They are just crewing and they

Ain't going, ain't growing
They break people's heart again

They can't do nothing but taking

Unfortunately they can't go...

From the right side to on the heart


紙芝居の内容と歌詞から、物語のストーリーを自由に解釈してみると面白いと思います。
(正しい答えは、存在しない)



ゲームと一言で表しても、上記のように様々なコンテンツが存在します。
ゲームに興味が無い方でも、創造性を刺激するためにも、たまにはプレイしてみることをお勧めします。











まとめ

ショートゲームというよりは、デモゲームという感じの短いコンテンツですがとても楽しめました。
筆者の様に武器などで敵と戦ったりするより、マイペースでコツコツと思考しながらプレイするほうが好き方には合っていると思います。

画像や動画では伝わりにくいのですが、球体内の幾何学的なオブジェクトは非常に美しいです。
操作もユニーク(unique)で、何度もプレイしたほどです。このような操作性は、今後のVRにおけるスタンダード(standerd)として普及していくように思えます。

また、次世代のVRコントローラは、グローブの様な装着するデバイスになっていくことが想像できます。
「レディ・プレイヤー1(Ready Player One)」という映画の世界に、少しづつ近づいていくのではないでしょうか。

本編がリリースされるようでしたら、是非続きをやってみたいコンテンツでした。

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