メール配信速度テスト 2021/04/26 New
メール配信に要する時間は、ユーザー毎の環境により異なってきます。
このページで紹介するメール配信速度テストは、ユーザー毎環境の配信速度が妥当であるか否かの目安になることを目的としています。
テスト環境では、実稼働での環境を考慮し、回線速度やサーバーなどの性能要求を標準以下になるようにしています。
ただし、企業規模が大きくなるとネットワーク利用人数も増えます。そのため、回線やサーバーへの負荷も増加することになります。
このページで記載しているテスト結果と比較する場合は、負荷状態も考慮し参考にするようにして下さい。
テスト環境
ここで紹介するテストでは、性能の異なる2台のクライアントとサーバーを利用しています。
クライアント1 |
OS: Windows 10 64ビット 20H2 CPU: Intel Core i5 7200U メモリー: 8Gbyte |
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クライアント2 |
OS: Windows 10 64ビット 20H2 CPU: Intel Core i7 7700K メモリー: 32Gbyte |
クライアント共通 |
Blue Moon: Version 4.0.0 送信オプション: 全てデフォルト設定 |
サーバー1 |
OS: Fedora10 Linux 32ビット CPU: Intel Atom 330 1.6GHz 2Core 4スレッド(Hyper-Thread) メモリー: 2Gbyte SMTPサーバー: Postfix2.7.1 POP3サーバー: Dovecot1.1.20 |
サーバー2 |
OS: Fedora15 Linux 64ビット CPU: Intel Celeron E3400 2.6GHz 2Core 2スレッド メモリー: 4Gbyte SMTPサーバー: Postfix2.8.10 POP3サーバー: Dovecot2.0.20 |
ネットワーク環境 |
100Mbps ローカルLAN(有線接続) DNSサーバーもローカルLAN内で稼働 |
送信データ |
メールの宛先は全てローカル。(他のSMTPサーバーへのリレーは行わない) |
シングル接続での送信テスト
メール配信の速度は、ネットワーク回線速度とサーバーの設定や性能に最も大きいな影響を受けます。
このテストでは同じネットワーク内での接続になるため、サーバー環境の違いが速度に大きな影響を与えていることが確認できます。
残念なことに現状、サーバー側がマルチセッション接続に対応していない場合や、対応していても2セッションのみであることが多いです。
そのため、Blue Moonを利用するほとんどのユーザーは、シングルスレッドで接続することが多いと推測しています。
シングル接続を行うユーザー環境では、このテストを目安にしてみて下さい。

送信データ |
宛先件数: 1,000件 本文サイズ: テキストデータ約16,000byte |
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計測結果(サーバー1) |
クライアント1: 00:00:18 クライアント2: 00:00:18 |
計測結果(サーバー2) |
クライアント1: 00:01:56 クライアント2: 00:01:56 |
サーバー側の性能が低いため、クライアント側の性能を引き出すことができない状態です。
この測定結果から、次の様に考察できます。
- クライアントの性能は、極端に性能が低いデバイスでなければ配信速度への影響は少ない。
- サーバー側の設定や性能が、配信速度に大きな影響を与える。
複数同時接続での送信テスト
1台のクライアントから、1台のサーバーへ同時に複数接続(マルチ・セッション)を行う並列配信時の速度テストです。
なお、クライアントにはクライアント1のみ使用しています。(計測値に大きな差が現れなかったため)

送信データ |
宛先件数: 1,000件 本文サイズ: テキストデータ約16,000byte |
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計測結果(サーバー1) |
1セッション: 00:00:18 2セッション: 00:00:17 4セッション: 00:00:15 8セッション: 00:00:15 |
計測結果(サーバー2) |
1セッション: 00:01:56 2セッション: 00:01:34 4セッション: 00:00:59 8セッション: 00:00:30 |
サーバー1では、大きな差は計測できませんでしたが、サーバー2では最大で約1/4に短縮出来ました。
この測定結果から、次の様に考察できます。
- 並列処理を効率的に行えるサーバー使用時は、メール配信速度を大幅に短縮可能である。
- サーバー側の設定や性能が、並列接続に大きな影響を与える。
サーバー1では、シングル接続での配信速度がそれなりに速いため、1,000件程度では大きな差が発生していません。
そのため、10,000件で配信テストを行いました。
結果として、1セッション「00:03:28」が8セッションで「00:02:37」と多少改善していることが確認出来ています。
しかし、やはり並列接続処理が苦手なサーバー環境であると判断できます。
注意点
マルチセッションやマルチSMTP機能を利用する場合は、サーバー側が対応している必要があります。そのため、事前に自社内のシステム管理者等に確認するようにして下さい。
また、SMTPサーバー(MTA)ではサーバーの負荷を低減させるために次のような様々な制限を設定しています。
大量のメールを送信する場合は、それらの制限を超えないように注意して下さい。
- メールデータのサイズ(添付ファイルも含む)
- 1回の接続で送信できる件数
- 1分あたりの件数
- 1時間あたりの件数
- 1日あたりの件数
Blue Moonには、制限を超えないように送信できる様々な送信オプション機能が搭載されています。(インターバル送信や再接続送信等)
ユーザーの利用環境に合わせてこれらの機能を活用して下さい。
更新履歴
2021.04.26
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